第7章:想起方法(想起練習)




結果に直接影響する想起力

今回から学習段階でいうとアウトプットの話に入っていきます。

 

 

※上記の図がわからない方は以下の記事を参考にしてください。

 

第1章:勉強の一般的な流れ

 

アウトプットといえば、「思い出すこと」をイメージしますよね。それを専門的にいうと「想起」と言います。想起とは、長期記憶から短期記憶へと情報を移行する作業です。人は短期記憶、つまり意識下にある情報をもとに思考、考える行為を行うので、想起力はどんな分野でも結果に直結する非常に重要な力なのです。

ただ、暗記の練習はしても、想起の練習をする人は少ないのが現状です。なぜなら、暗記以上に苦痛を伴いやすいからです。また暗記と想起を混同して、それぞれを意識せずまとめて暗記の勉強としてがむしゃらに覚えよう、思い出そうとしている人もいます。このような整理されていない学習だとやっていても効果は半減します。教科書を読み返す際にも、暗記として読み返すのか、想起として読み返すのか。意識の違いで学習の質が大きく異なります。したがって、これらをきちんと意識して学習するためにも、本記事で想起について勉強していきましょう。

 

 

想起とは、状況に応じて必要なものをアウトプットする力です。いくら単語を暗記しても、必要な時に思い出せなければテストでは点はとれませんよね。またいくらビジネス本を読んでも、仕事で臨機応変にアウトプットできなければ、全く使い物になりません。これらはすべて想起力に該当します。

想起力をつけるためには、どうしたらよいのでしょうか。それは「思い出す練習をする」、つまり想起練習をするしかありません。ただ、思い出す練習もいくつかあります。それぞれ見ていきましょう。

 

 

負荷の軽い想起練習と重い想起練習を組み合わせる

想起練習とは、文字通り「想起する練習」です。代表的なものは5種類あるのですが、これらは学習にかかる負荷の大きさで2つに分けることができます。

 

 

学習負荷とは勉強する際に脳にかかるストレスです。このストレスが大きいほど脳に定着しやすいのです。しかしあまりに大きいと学習に抵抗を示すようにもなることから、バランスのとれた学習が重要であるとされています。

学習負荷は思い出すための手がかりの多さによって変化します。想起のトレーニングするときに手がかりが多いものは、負荷は当然軽く、逆に少ない場合は負荷が重くなります。例えば、まとめノートを思い出しながら読み返すのは、手がかりが多い想起練習の一つです。一方、記述式のテストは非常に手がかりの少ない想起練習に該当します。この両者の学習負担の差は一目瞭然ですよね。

 

 

そして。両者にはメリットとデメリットがあります。負荷の軽い想起練習のメリットは取り組むハードルの低さです。したがって毎日でも取り入れることが可能です。しかし、一回に伴う学習負荷は小さいため、数回繰り返すだけでは十分な効果を期待できません。一方負荷の重い想起練習のメリットは一回でかなり大きな学習負荷を伴います。したがって、数回行えば、かなり効果の高い学習を行うことができます。しかし、一回が重く、時間も労力もかかる学習なため、そう簡単に毎日行うことはできません。

以上から、両者を上手に組み合わせて、想起練習を計画的に行うことが、想起力をつける上で何より重要なのです。では想起練習を一つ一つ見て行きましょう。

まず手がかりが多い、負荷の軽い想起練習からお話します。

 

想起練習①:間隔練習

間隔練習とは、間隔をあけて同じ内容を繰り返し思い出す練習を言います。主にノートや教科書を間隔をあけて振り返るイメージです。一定の間隔をあけて同じ内容を想起するトレーニングを繰り返すと、情報同士の関連性が強化されることがわかっています。ではどのくらい間隔をあければ良いのかというと、内容を不完全に忘れるくらいがよいとされています。さらに睡眠が神経細胞同士のつながりの強化を促進するため、間隔としては1日以上が望ましいです。

 

 

ただ、いちいち「この内容は1日あけよう」、「この内容は2日あけよう」とチェックしながら想起練習するのも面倒ですよね。もっと楽に間隔を自然とあけることができれば、無理なく継続できます。そこで力を発揮するのが相互練習です。

 

想起練習②:相互練習

相互練習とは。全く異なる内容を交互に想起することを言います。この練習のメリットは二つあります。一つは、それぞれの内容だけをみると、自然と無理なく間隔練習できることになります。さらに全く異なる内容でも、どこかで関連づけることができれば、情報の関連性を拡張することができるのです。拡張できれば、想起する手がかりが増えることになり、それは想起力の増強につながります。このように、様々な内容を交互に想起するのは、一石二鳥以上の効果を得られる可能性があるのです。

 

 

しかし、実際は全く異なる内容であれば、なかなか関連性を見出すことは難しいです。そこで、間隔練習もできて、違う内容でも関連性を見出しやすくする方法として多様練習というものがあります。

 

想起練習③:多様練習

多様練習とは、一つのテーマを複数のコンテクストで想起するやり方です。すなわち、同じテーマをいろんな想起場面を活用して、繰り返し想起練習を行うことを言います。例えば、教科書で想起練習して、次に動画講座で想起練習して、次に学校の授業で想起練習して、最後に友達と話して想起練習する。というように、いろんな道具を用いて同じテーマを想起する機会を作ります。すると、いろんな道具を用いることで、自然と間隔練習を行うことができ、かつ同じテーマであるものの、想起に使う道具や場面が異なれば、若干異なる内容に触れる機会が増え、それは自然と情報の関連性の拡張につながるのです。

 

 

以上が、負荷の軽い想起練習です。次に負荷の重い想起練習について説明します。

 

想起練習④:テスト練習

まずテスト練習です。テスト練習とは、とても少ない手がかりから思い出す練習を言います。まさに皆さんが受けるテストです。テストは実力のチェック目的でもありますが。負荷の重い想起練習でもあるのです。もちろん負荷が重いからこそ、毎日は気軽に行えません。したがって、一回一回のテストは非常に貴重な学習機会であることがわかります。

 

 

ただ、テスト練習はやりっぱなしだと、効果が減弱します。テスト練習をもっと有効活用するために、もう一つの負荷の重い想起練習、省察が不可欠です。

 

想起練習⑤:省察

省察とは、「記憶から知識や過去の経験を想起し、新しく経験したことを結びつけ次に繋げること」を言います。つまりテストの復習ですね。テストでは何をして、なぜそうなって、次はどうするのか。このように振り返る過程を通して、必要な内容を短期記憶に呼び起こし、テスト練習で獲得した新たな知識などを関連付ける。これこそが、テストを受けたあと、必ずしなければならない想起練習です。

 

 

何度もいうように、これらテスト練習や省察は負荷の重い想起練習なので、何度も行うことができません。しかし一回の練習による効果は非常に大きいです。この機会を無駄にせず、しっかりと活用することが、学習効率を向上させるコツでもあります。

以上が想起練習です。想起力とは結果に直結する力です。これらを意識的に組みあわせバランスよく学習し、着実に実力をつけていきましょう🐧










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