【原稿公開】第5章(2)難しすぎない応用型問題集を選べ




 

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応用力をつけるためには、インプット(応用問題の問題学習)とアウトプット(応用問題の問題数をこなす)の勉強をバランスよく行う必要があり、それぞれに適した教材は異なるとお話しました。

ただ、両者の教材には一つだけ共通した特徴があります。「問題の難易度が適切であること」です。特に応用の勉強を始めたばかりの人は「難しすぎる問題を扱っていない」教材を選ぶことが大切です。

本屋に行けば、いかにも難しそうな問題集がたくさんあります。医学部志望者向けに「医学部受験のための問題集」と題している教材や「東京大学受験専用の問題集」まであります。人によっては、これらの問題集を使うタイミングがあるかもしれません。しかし、一般的な応用力をつける段階で使うことはまずありません。なぜならこうした「○○専門の問題集」は難易度が高すぎるからです。

応用力をつけるといっても、まだ基本問題の問題学習を終えた段階です。ここから少しずつ模擬試験や受験に対応できる力をつけていくわけなので、いきなり難易度の高い問題を学習しても負担が大きいだけです。応用範囲でも学習するステップがあります。新しい範囲を学習する場合、その範囲内で最も優しいものから始めるのが鉄則でした。従って応用範囲においても同様に「応用問題の中で最も優しい問題」から始めなければなりません。

 

 

では「難しすぎない問題」とは一体どのようなものでしょうか。

問題自体は大学入試問題が望ましいです。応用力をつける一番の目的は受験です。なので、この時点から入試問題に少しずつ触れる必要があります。創作問題でも良問はありますが、入試問題と比較するとやはり劣ります。従って、実際に出題された入試問題を中心に応用力をつけることがお勧めです。入試問題と聞くと「難しい問題」をイメージされる方もいるでしょう。確かに難しい入試問題もあります。しかし、全てが難しいわけではありません。当然難易度は大学によって異なりますし、同じ大学の入試問題でも年によって違います。また一つの入試問題内でも大問によって難易度が異なる場合もあります。このような、様々な難易度の入試問題で比較的優しい、基礎的な問題を選んで構成された教材が応用型問題集として適しています。

 

 

さて、適した応用型問題集を見つけるためのチェックポイントがいくつかあるのでご紹介します。

 

ポイント①:知名度の低い大学の入試問題を扱っているか

一つ目のチェックポイントは「あまり聞いたことのない大学の入試問題を扱っている点」です。東京大学や京都大学、大阪大学、九州大学、慶應義塾大学、早稲田大学などは誰もが知っている有名大学です。有名であれば多くの学生が目指すわけなので、競争率もあがり、難易度も高くなるのは感覚的に分かるかと思います(先ほども述べたように全ての問題で難易度が高いわけではないですが)。

 

 

一方、知名度の低い大学の入試問題は基本レベルのことが多いです。志望学生も少ないので、難しい問題を出せないのが現実だからです。従って、パッと見た時に、聞いたことのない大学の入試問題が多く載っていれば、それはちょうどよい難易度の応用型問題集である可能性が高いと言えます。

 

 

 

ポイント②:改変問題には要注意!

独自に改変した入試問題を扱う問題集もちょうど良い難易度であることが多いです。ただ改変問題は難易度を下げる方向に改変している場合と、難易度を上げる方向に改変している場合があるため注意が必要です。教材中のほとんどが改変問題でかつ改変していない問題も東京大学や京都大学など難関校の入試問題である場合は、難しい応用型問題集なので下手に手を出さない方がよいです。一方、改変問題と知名度の低い大学の入試問題が1:1くらいの比率で構成された教材であれば、「優しい応用型問題集」の可能性が高いです。

 

 

 

③教材名にも要注意!

教材名はとにかく要注意です。例えば先ほど述べた「医学部受験用問題集」や「○○専用問題集」などは難易度の高いものが多いです。また「ベクトルだけの問題集」や「確率だけの問題集」など特定の分野のみ扱っている教材は全てではないですが、難易度が高い問題も含まれているので、使用時は気をつけなければなりません。

教材名と内容が全く合わない有名な問題集があります。「やさしい理系数学」です。問題集としては質が高く、おすすめの教材ではあります。しかし「全くやさしくない」のです。扱う問題の難易度は非常に高いため、難関大学を目指す人が終盤にさしかかり、より難しい問題を勉強したい場合に適した教材と言えます。

このように教材名をそのまま鵜呑みにしないことも自分に合う教材を見つけるコツです。

 

 

以上のポイントをチェックし、適した応用型問題集を見つけましょう。基本問題の学習から応用問題の学習へとスムーズに移行するためにも、問題集選びには十分に時間をかけることが大切です。

 

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