【原稿公開】第7章(3)問題中心型参考書:物理のエッセンス




 

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問題中心型問題集の代表作である「物理のエッセンス」を紹介します。

 

 

「これをやれば、物理について知っておくべき知識を全て網羅できる」と言われるほど完成度の高い教材です。この教材を完璧にすれば物理の偏差値は60〜70まで上がるとも言われています。確かに私もこの教材によって一気に物理の実力があがりました。ただ当然ですが、使い方には注意が必要です。ではいつもの流れで分析していきましょう。

 

 

①まず課題を明確にします、

 

 

「理解型参考書」である「橋元物理のはじめからていねいに」を使い、物理に対する苦手意識の払拭に成功しました。しかし、まだまだ知識としては曖昧です。それは仕方ないことで、「苦手意識をなくす」レベルの教材だったため、難しいことは後回しで、とにかく物理の基本中の基本を最優先にしていたからです。何事も基本の理解をなくしては、それ以降進むことはできないので、取り扱う内容が不十分であり、知識にいくつか穴があいたとしても、基本の理解を最優先にするのは正しい選択です。ただし、その穴埋めは次のステップとしては必要です。

 

②次に課題に適した教材の分類を決めます。

この人の課題は「理解型参考書」を終えたけど、まだ「問題学習」の段階に進むほど概念のインプットを十分にできていない点にあります。従って、「理解型参考書」の後に使うが、「問題学習型問題集」の前に使いたい「問題中心型参考書」が良さそうです。

 

 

 

③本書で紹介した「問題中心型参考書の注意点」に留意し教材を選びます。

選んだ教材は「物理のエッセンス」です。

 

 

④特徴を二つ見つけます。
⑤さらに二つの特徴から学べることを把握します。

 

 

 

主な特徴の一つは「知識の穴を着実に埋めることができる点」です。問題中心型参考書は、理解型参考書でいう図や絵、表やまとめなどの視覚情報に代わって問題を利用し説明している教材です。従って、より実践に即した知識を習得できます。ただ一方で、欠点もあります。問題中心に概念を学ぶので、知識に穴が生まれやすいのです。問題は概念を理解しているか確認するために作られます。位置づけとしては概念が「知識の森」で問題が「知識の木」です。つまり、概念の学習が不十分な時に、問題中心に学習すると、それは「木を見て森を見ず」の状態となり、知識にムラが生じやすいのです。

しかし本書は、問題中心型参考書にも関わらず、内容が網羅的です。むしろ、あいた知識の穴をきちんと埋めてくれます。問題中心型参考書の長所は残し、短所は克服している非常に丁寧な教材なのです。問題中心型参考書は本来、理解型参考書の後に使うべき教材ですが、「物理のエッセンス」に限っては「初めから使っても良い」と言える特別な教材なのです(ただし物理があまりにも苦手なら、やはり理解型参考書から使うことをおすすめします)。

もう一つの特徴は「学生がつまずきやすい内容を取り上げて解説している」です。教材の中には「Miss」や「Q &A」、「ちょっと一言」など、多くの学生が勘違いしつまずきやすい内容を取り上げ、わかりやすく解説してくれています。このような気遣いのある解説も一般の問題集ではなかなかありません。こうした点も次のステップである問題学習をスムーズに行う上で大切な要素となります。

 

 

⑥次に教材を使用し学ぶとどう変化するか(課題を克服するか)、新しい課題は何かを把握します。

 

 

本教材により、すでに頭にあった知識はより理解を深めることができ、不十分だった知識は補足し、穴を埋めることができました。さらには、基本問題もたくさん解いたため、ある程度、問題を解くイメージがついています。ではいよいよ、問題を本格的に分析するステップに進みたいと思います。ただし、「物理のエッセンス」で解いた問題は、基本中の基本問題であり、かつシンプルなため、いきなり難しい問題集を使うのは危険です。やっと問題学習をスタートする段階なので、原則通り基本問題パターンを分析できる問題集を選択しましょう。

ではこの新しい課題に適した教材を実際に本屋で探してみましょう。ちなみに私がおすすめする教材は「物理入門問題精講」です。

 

 

本書は基本レベルにも関わらず、入試問題を扱っている非常にレアな教材です。入試問題といえば、みなさんもご存知の通り、難易度が高く、いきなりは手を出せないものが一般的です。しかし、物理は少し異なります。実は、物理は基本レベルでも入試問題になりうるのです。それほど、物理は全体として基本を重視しています。その特徴を活かし、物理入門問題精講は数学などと異なり、入門の段階で入試問題を扱っています。多くの方にとって目標は入試です。なので、早い段階から触れることのできる本書は問題学習型問題集として理想の教材なのです。

本書のより詳しい参考書図解は「勉強方法辞典」というサイトで紹介しています。ぜひ参考にしてください。

 

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