【原稿公開】第1章(3)ライバルを意識して身の丈以上の教材に手を出した




 

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常に教材を吟味しないと、身の丈以上の教材を選ぶ可能性が高くなります。これは実力がついてきた頃、特に陥りやすい失敗です。

高校2年生の夏、医学部を目指す私は、より一層気合いを入れ勉強に励み、成績を着実に伸ばしていました。ある日、志望校は別ですが、同じく医学部を目指すライバルが、自分とは違う教材を使っていることを知りました。

すぐに本屋で確認すると、その教材は当時の私にとって明らかにレベルの高い参考書でした。しかし、「同じ目標を持つライバルが使っている」という理由で手を出してしまったのです。

 

 

身の丈以上の教材なので、当然労力がかかりますし、十分に理解できず、身につきません。最後には苦手意識を持ち、自信をなくしてしまいました。

 

 

この失敗の原因は二つあります。

一つは「階段を一段ずつ登らず、三段飛ばしで一気に登ろうとしたこと」です。

学びは連続です。Aが分かるからBが分かり、そしてCが分かる。このようにA→B→Cと段階的に進めることで、初めて全体を通して理解できるのです。いきなりA→Cと飛ぶと、Bを経ないので、Cの理解は曖昧になります。ここでBに戻り、再出発できれば問題ありません。しかし、戻らず無理やり進み続けると、ドミノ倒しのように分からないことが続き、最後は身動きがとれなくなるのです。

 

 

 

また一段ずつ登れば、たとえ躓いたとしてもダメージは小さいです。しかし三段飛ばしで登ると、躓いた時、より高いところから落ちるので、その分ダメージも大きくなります。当時私はライバルを意識しすぎて、一気にAからCに飛んでしまいました。その結果、躓き「苦手意識をもつ」という大きなダメージを負うことになったのです。

 

 

 

二つ目の原因は「自分に必要な応用力の範囲を設定していなかったこと」です。

後ほど応用型参考書の章でお話しますが、応用力は基礎力と異なり、伸ばそうと思えば無限に伸ばすことができます。従って明確な目標を設定し、基礎を終えた段階から目標までを応用力と定義して、その範囲に合う教材を選ばなければなりません。

必要な応用力を超えたレベルは「やり過ぎ」となり、時に悪影響を及ぼすこともあります。

 

 

では目標はどのように定めるのでしょう。中高生ならば、志望校の入試問題を利用します。つまり、志望校入試の過去問題を分析し、割り出した合格ラインに到達する実力こそが設定すべき目標です。

合格に必要な力は同じ医学部でも、大学によって異なります。となると、ライバルと自分の状況は違いますし、志望校も異なるため目標や応用力は一致しません。従って、ライバルが使う難しい教材を必ずしも私が使う必要はありません。

すなわち、自分の目標を明確にせず、ライバルに合わせ、無理やり背伸びしたことが失敗に繋がってしまったのです。

 

 

モチベーションを保つためにライバルを意識することは大事です。ただしライバルに振り回されてはなりません。冷静に自分を見つめ、目標を設定し、身の丈に合う教材を選びましょう。それを積み重ねることが最終目標を達成する確実な方法なのです。

 

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