『浪人時代がなければ今の自分はない』島根大学 医学部 医学科 : 岩﨑慶一郎




 

『浪人時代がなければ今の自分はない』

 

きっぱりと言い放ったその姿は非常に清々しい。

話し方は穏やかで丁寧だが、内に確固たる信念と自信をもっている。

 

高校時は野球部でほとんど勉強していなかったため、浪人時代に1から勉強を始めた。

 

タイムリミット1年での医学部受験。

どんな勉強をしてきたのか、どんな生活をしてきたのか。

 

 

岩崎さんにとって『浪人』とは何なのか。

 

お話を聞くことにした。

 

 

【基本情報】

・名前:岩﨑慶一郎
・出身高校:出雲高校→補習科
・高校の部活:野球部
・合格大学:島根大学医学部医学科
・今大学で夢中になっていること:美味しいご飯屋さん、飲み屋さんを見つけること
・大学のサークル、部活:野球部
・性格:多感的
・趣味:スポーツ
・高校時得意科目:国語
・高校時苦手科目:数学
・浪人時平日の勉強時間:6時間
・浪人時休日の勉強時間:10時間
・高校時の通ってた塾:くわはら塾
・好きな言葉:頼まれごとは試されごと
・将来進みたい分野、職業:医師

 

 

 

 

思っていたより時間がある医学部医学科1年生

 

――こんにちは!今日はよろしくお願いします。

 

岩﨑さん:こちらこそよろしくお願いいたします。

 

――今島根大学医学部医学科1年生ということですが、大学は楽しいですか?

 

岩﨑さん:結構楽しんでいますよ(笑)

 

――楽しんでそうですね(笑)。やっぱり今は医学部以外の人と一緒に受ける授業があるから楽しいですよね。

 

医学部豆知識①
1年生のときじゃないと、他学部との交流を深めるチャンスはない

 

岩﨑さん:そうなんですよね。ただ、結局医学科で固まっちゃってるんですよ

 

――えー!!もったいない。私とか、ほとんど他の学部の人と一緒にいて二年生になっても授業が終わったら本学の方へ遊びに行っていましたよ!

 

岩﨑さん:そうなんですか!いいなぁ・・・やっておけばよかったかなぁ

 

――まだ遅くないですよ(笑)!!私は二年生から4つのサークルに入ったり、金沢美術工芸大学のサッカー部にも参加し始めましたから(笑)

 

岩﨑さん:え・・・アクティブすぎでしょ・・・

 

――とにかく大学生活楽しんでやろうと思っていたので(笑)。大学ではどんな勉強をしているんですか?

 

岩﨑さん:専門は生化学ですね。あとは一般教養です。

 

――あー・・・生化学。私が嫌いなやつです。。。

 

岩﨑さん:そうだったんですね(笑)

 

――追追追追試くらいやった気がします

 

岩﨑さん:え・・・(笑)。そこまではいかなそうですよ(笑)。

 

――まじですか(笑)。普段は結構忙しいんですか?

 

岩﨑さん:いや。。。1年生だからかもしれませんが、思ったより時間があるなと思いますね。

 

――おー!先輩から、「どんどん忙しくなるよ」って言われません?

 

岩﨑さん:めちゃくちゃ言われます(笑)。正直怖いです(笑)。

 

――それを5年間言われ続けますよ(笑)

 

岩﨑さん:はい。覚悟しております(笑)。

 

 

 

 

――高校のときは何の部活だったんですか?

 

岩﨑さん:野球部です。

 

――え!!!ということは甲子園いったんですか!?

 

 

医学部豆知識②
島根県立出雲高等学校は2016年夏の甲子園にみごと初出場を果たしたのだ!!http://www.izumo-hs.ed.jp/club/club2016/13279より

 

 

岩﨑さん:それが・・・私が浪人のときに後輩がいったんです(笑)

 

――なんと!それは惜しい(笑)。

 

岩﨑さん:そうなんですよー。確かに後輩は強かったんですよね。

 

――応援は行きました?

 

岩﨑さん:もちろん!!だから浪人の夏休みは甲子園の応援で消えましたね(笑)

 

――ほんと快挙ですもんね。

 

岩﨑さん:いやーすごかったですよ。

 

――大学は野球を続けているんですか?

 

岩﨑さん:医学部野球部にはいっています。

 

――おー!すごい。結構きつくないですか?

 

岩﨑さん:いやー高校と比較するとそこまできつくないですよ。週4回くらいですし。

 

――そうなんですね!西医体はどうでしたか?

 

医学部豆知識③
毎年夏に、医学部医学科のみで結成されたチームによる大会が開催され、予選として西日本と東日本に分かれ医学部対抗戦が行われる。西日本医科学生総合体育大会(西医体)と東日医科学生総合体育大会(東医体)と呼ばれ、それぞれの勝者が全国医科学生体育大会として日本一決定戦を行うのだ。

 

岩﨑さん:西医体は浜松医科大学にまけました・・・

 

――あー浜松医科大学はやっぱり強いんですか?

 

岩﨑さん:はい。強いです

 

――サッカーも強いんですよね

 

岩﨑さん:え!!そうなんですね!!やっぱ強いんだー。

 

 

 

浪人時代がなければ今の自分はない

 

――現役のころはどのくらい勉強していたのですか?

 

岩﨑さん:現役のときはほとんどやっていなかったです。

 

――え!!そうなんですか。意外・・・・

 

岩﨑さん:そうなんですよ。本当に課題すらやっていない時もありました。2年生、3年生の部活をやっている間はほとんど、さぼっていました。

 

――なるほど。いつからバリバリやり始めたんですか?

 

岩﨑さん:ちょうど部活が終わってからですね。そこでようやく分かったんです。。。やばいと(笑)

 

――(笑)。具体的にどのくらいだったんですか?

 

岩﨑さん:定期テストや模擬試験での判定は当然E判定ですよね。校内順位は100位くらいでした。

 

――それは(笑)。確かに残り時間を考えるとちょっと厳しいところにいましたね。その頃は医学部を既に目指していたんですか?

 

岩﨑さん:はい。もう実は1年生のときから医学部は行こうと思っていました。ですけど、さぼっていたんですね(笑)

 

――なるほど(笑)

 

岩﨑さん:で、部活終わってさすがにやばいと思ったんです。実は浪人は覚悟していたので、そこまで焦らなかったんですけどね。まずはここから基本をやろうと決めて勉強を始めました。

 

――ほー。そこから一気に気合いれて始めたんですね。

 

岩﨑さん:はい。ちょうどこのタイミングですね。高校3年生の夏。野球部の友達に誘われて、くわはら塾に入ったんです。

 

くわはら塾
島根県出雲市にある「看板のない」個人塾。塾長である『くわはら先生』は穏やかな人柄で、生徒に良いと思ったことはすぐに行動にうつし、多くの学生を送り出してきた。生徒の自主性を最優先にし、良い距離感でサポートしてもらえる自主学習塾である。くわはら塾のインタビュー記事はこちら:https://www.benkyoziten.com/kuwaharajuku-1/

 

――友達のお誘いだったんですね。なんか岩崎さんはくわはら塾が合いそうですね。

 

岩﨑さん:はい。ものすごく合っていました。やっぱり今思うと、あのタイミングでくわはら塾に入塾したのは、大きかったですね。

 

――現役のときはセンター試験はどうだったんですか?

 

岩﨑さん:現役のときは660点でしたね。全然だめで・・・

 

――えー。けど、高校3年の夏から基礎を始めて、センター試験660点ってなかなかすごいですよ

 

岩﨑さん:本当ですか(笑)。ここでやっぱり基礎が全くわかってないんだなーと痛感しましたね。それで二次試験も受けて、落ちたと分かった瞬間から次の年に向けスイッチが入りました。

 

――受験が終わった瞬間から先を見据えて、再スタートしたわけですね。

 

岩﨑さん:はい。なので、結構切り替えは速い方でしたね。

 

――浪人はどこでやっていたんですか?

 

岩﨑さん:浪人は補習科といって、そのまま同じ高校で浪人クラスとして勉強するプログラムにしました。なので、高校4年生みたいなものですね。

 

――なるほど。私は京都の駿台予備校に浪人時代は通っていたのですが。補習科はどうですか?

 

岩﨑さん:かなりいいですよ。すごく自分には合っていました。浪人はとにかく合っているかどうかが最も大事だと思いますので。

 

――確かになじみのある場所で勉強するのが最もよいですもんね。でもなじみある場所だと勉強以外の誘惑に負けませんでしたか(笑)

 

岩﨑さん:そうですね・・・誘惑に打ち勝つのが大変でした。例えば、休日たっぷり寝たいと思うことは多々ありましたが、一緒に浪人していた友達のことを思うと、負けてられないとやる気になりました。

 

ーーやっぱり(笑)。私も夜ボーリングにたくさん行っていた時期がありましたね。でもいいんです!!!そんな毎日ストイックにできないときもあります。それが人間です(笑)。

 

岩﨑さん:そうですよね(笑)。そういう弱さも含めて、総合的にコントロールできればいいですよね(笑)

 

――もちろんです(笑)。

 

岩﨑さん:まあ振り返ると浪人自体はよかったですね。正直、浪人をしていなければ今の自分はないなと。多くのことを学びましたし、確実に成長を感じましたね。

 

――実は私もです。高校のときはものすごく攻撃的で、本当に子どもだったんですよね。それが浪人時代を経て、丸くなれて。比較的穏やかな性格になりました。これって自分にとっては非常に大きな変化で、久しぶりに会った友達には、180度変わったねと言われたほどで(笑)

 

岩﨑さん:そうなんですね(笑)。確かに自分もそうですね。ものすごく変わりました。そうやって人の性格や考え方を変えてしまうくらい、考える時間や経験することが多いんですよね。浪人をおすすめすると言うのはあまりよくないかもしれませんが、自分はお勧めしたいですよ(笑)。

現役生が得ることができないものを、確実に得られます。

 

――私もです(笑)。でも結構浪人時代は焦りました?

 

岩﨑さん:いや。春休みの段階で、この量とペースでやったらだいたいの見通しがたったので焦ることはありませんでしたね。夏は後輩の甲子園に応援に行きましたし(笑)

 

――さすがです(笑)。

 

 

 

 

――浪人時代は、まず何から始めたんですか?

 

岩﨑さん:基礎が自分にとっては重要だと思ったので、とにかく数学、英語、物理、化学と基礎をやりましたね。

 

――なるほど。基礎から始めるわけですが、医学部となると応用もやっていかなければならないですよね。残り1年という、ある意味短い期間の中で、より効率的に勉強していったわけですよね。

 

岩﨑さん:そうですね。ただ、効率よくやるというより、私の場合は圧倒的に量が足りなかったので、まずは効率を考えず基礎を量でカバーしていこうと思いました。それが効果あったなと思います。

 

――ほー。量でカバーするんですね。

 

岩﨑さん:はい。僕の場合、本格的に受験勉強を始めたのが高3の夏で、周囲とはかなり差がついていると感じていました。完全に最低レベルからの出発と考えていましたので効率を考えるのは後にして、とりあえず問題数を多く解くことを意識しました。効率を考えて勉強方法を工夫する時間も惜しいくらいの勢いだった思います。

 

――なるほど。効率を考える前の段階だったってことですね。

 

岩﨑さん:そうなんです。効率ってある程度、力がついている人や経験がある人じゃないと、全く基礎の力がついていない人がまず効率を求めようとしたら、逆に穴だらけになって、全体として非効率になってしまいます。まだ力がついていない、基礎力がついていない人にとって最も効率のよい学習方法は量をやることなんですよね。

 

――確かにそうですね。まだ勉強し始めや、何でも物事の始めは、何をやってもどんなことからも学ぶことがたくさんあります。つまりやることに無駄な要素は少ないということです。当然ある程度やり方や参考書、問題集などは少し工夫した方がよいですが、最低限の工夫をしたらあとはとにかくやること。これが一番早く力がつきますね。量を少なくして効率よくというのはその次のステップですね。

 

岩﨑さん:はい。もちろん、あまりにも効果的でないやり方で量をやっても意味ないですが。工夫と量の両方が必要ですね。
ただ、気を付けてほしいのは量というのは多くの参考書や問題集に手を出すことではないんです。

 

ーーなるほど。

 

岩﨑さん:実は現役の時は色々な教材に手を出しがちで。しっかり一つ一つの参考書や問題集から力をつけることができていたかというと微妙なんです。なので浪人のときは教材を絞って何周も勉強するようにしました。

 

――あー!それ同じことを言っていた方がいました。この前インタビューした人なんですが、まず何をやめるかを考えようといわれ、そこから一気に伸びたそうです。

 

参考インタビュー
『もう後がない。覚悟を決めた。』 金沢大学 人間社会学域 経済学類 : 平田絢女:https://www.benkyoziten.com/kanazawadaigaku-2/

 

岩﨑さん:はい。僕もそうでした。まだ力がついていないのに、周りの同じ医学部志望の人が使っているからといって、まだ自分が解くべきでない問題集にも手を出したりして。そうやって周りに影響されていましたね。

 

――あー、それは確かに非効率的ですね。自分のペースで信じてやっていく。難しいですけど、非常に大切なことですね。

 

岩﨑さん:はい。周りに常に影響されていると、特に試験直前とか、さらに焦ってしまう。友だちはこれやっているのに、自分はやっていない。まずい・・・って感じで。これでは力は全くつかないですよね。

 

――おっしゃる通りです。

 

 

11人中10人合格した島根大学医学部推薦入試

 

――浪人時代の成績はどうだったんですか?

 

岩﨑さん:センター試験は800点まで上がりましたね。

 

――えー!!800点・・・・すごい

 

岩﨑さん:そうですか?(笑)

 

――浪人時代に結構センター対策はしたんですか?

 

岩﨑さん:それが、ほとんど二次試験の勉強をしていました。

 

――――(それで800点かよ。まじワロス。)す・・・すごいですね。

 

岩﨑さん:補習科は難関大学以上と、地方レベルの二つのクラスに分かれるんですけど、難関大学以上の方は、ほとんどセンター試験の勉強をしなかったので、もうずっと二次試験対策ですね。

 

――私は逆でセンター試験しかしていなかったですからね。それで、センター試験失敗して、逆転できるところを必死に探したんです。もうセンター試験嫌い!!!(笑)

 

岩﨑さん:(笑)

 

――二次試験はどうだったんですか?

 

岩﨑さん:二次試験は受けず、推薦だったんですよ!

 

――なぬ!!推薦とな!!!!

 

 

岩﨑さん:はい(笑)。出雲高校は島根大学医学部に地域枠を持っていて、だいたいセンター試験750点くらいとっていれば、小論と面接で合格するだろうと言われていたので。

 

――最初から推薦を狙っていたんですか?

 

岩﨑さん:いや。二次試験を受ける予定でした。二次試験を仮に受けても、合格する力をもっている学生でないと、出雲高校は推薦してくれないんですよ。

 

――確かに、私が通っていた金沢大学に推薦で受かった人も抜群に勉強ができましたね。

 

岩﨑さん:はい。なので、二次試験の勉強はしっかりとしていました。もし推薦もらえなかったら、普通に二次試験を受ける予定でしたよ。

 

――以前は「推薦は救済処置」とされてきた時代もありましたが、今は違うんですね。小論や面接はいかがでしたか?

 

岩﨑さん:小論は一般的な課題でしたね。でも、やや時間がないので、しっかり対策はしておいたほうがよいです。あと、面接は1日で2回あるんです。

 

――2回もあるんですか。

 

岩﨑さん:はい。5人の面接官がいて、1回15分程度の面接です。

 

――どんな感じでした?

 

岩﨑さん:1回目は結構和気あいあいとした、良い雰囲気の面接でしたね。内容も部活や甲子園のこととか聞かれました。2回目がちょっと張り詰めた感じの面接でしたね。

 

――張り詰めた・・・圧迫面接とかですか?

 

岩﨑さん:いや、圧迫ではなかったです。もっと真剣にというか。「本当に島根に残るつもりなの?」というような、今後において重要な質問がきましたね。

 

――確かに圧迫ではなさそうですね。ちょっとキチッとした雰囲気に変わったということですね。

 

岩﨑さん:はい。1回目とのギャップにちょっとひるみましたね。もちろん「島根で働く所存です!!!!」と熱意をもって答えました!!!

 

――そう答えるしかないですよね(笑)。推薦って結構倍率が高いんじゃないですか?

 

岩﨑さん:いやそれが・・私のときは地域枠が定員10人いて、11人受けたんですよね。だから一人しか落ちないんですよ。

 

――えー!!!それはすごい・・・。それだけ優秀な人じゃないと推薦されないというわけですね。

 

岩﨑さん:そうかもしれません(笑)。また緊急医師確保枠というのがあります。これは比較的志望者が多かったですね。

 

――そんな枠もあるんですか。やはり地方は医師不足もあるからこういう枠を用意しているんですね。

 

岩﨑さん:はい。私たちは地域枠が少なめだったのですが、1つ下の後輩のときは一気に地域枠志望者が増えて倍率はあがったそうです。それでも一般で受けるより少ないですね。

 

――出雲高校からは何人くらい推薦でいったんですか?

 

岩﨑さん:出雲高校からは6人医学部合格者が出ました。現役2人、浪人4人ですね。浪人生は4人推薦受けて4人とも受かりました。

 

――おー!!100%!!

 

岩﨑さん:はい。島根大学医学部の推薦は浪人生に強いといわれています。

 

――それは浪人生には朗報ですね。推薦は上手に使ったらいいと思います。目標は医師になることなので。医学部合格は医師になるための手段に過ぎない。

 

岩﨑さん:そうですね。目の前のチャンスは逃したくないですね。ちなみに緊急医師確保枠はセンター試験600点台の人も受かったそうです。そういうところからも、入学してからが大事なんだなと思いました。

 

――いやーおっしゃる通りです。大学入学してからが大事ですし、さらに医師になってからが大事です。そしてどの時も通過点に過ぎないんです。

 

岩﨑さん:確かに。そうですね。

 

――実は金沢大学医学部も浪人生には有利なんですよ(笑)

 

岩﨑さん:え!なぜですか?

 

――まず二次試験の比率が高いのと、倍率が2倍と低いんですよね。しかもテストもそこまで難しくない問題がでるので、いろんな失敗や確実に解いていく力をつけている浪人生が強いんです。東大農学部から農水省を経て、50歳代で金沢大学医学部医学科合格した人もいますからね(笑)。

 

岩﨑さん:え(笑)。それはすごい・・・

 

――島根大学の二次試験はどうなんですか?

 

岩﨑さん:島根大学は、二次試験が英語と数学の二教科です。僕はその二教科を学校の先生に、それに加えて数学を塾の先生に添削してもらっていました。二次試験の科目が少なく、絞りやすいのが特徴ですね。

 

――そうですよね。医学部には珍しい二科目受験。これって、科目絞れるので良いという側面もありますが。絞ることでのデメリットもあると思います。

 

岩﨑さん:デメリット?

 

――はい。二科目にすることで、この二科目が最もできる人が集まりやすくなるので、自分もかなり得意じゃないと勝てないということ。極端なことを言えば数学オリンピックに出るような人も受けるかもしれませんよね(笑)。

また男に多いですが、やはり化学、物理が得意な人は、その科目が使えないのは非常に大きな条件だと思います。その点はいかがですか?

 

岩﨑さん:あー確かに。僕も化学、物理は得意なので、それが二次試験に使えなかったのは大きいですね。実際他に理科がある大学も受けようと。また二科目に絞ることで、理科が苦手で数学英語がものすごくできる人が集まり競争が激しくなるという見方もできますね。僕は推薦だったのでそこまで、気にすることなく島根大学を受けれましたが。

 

――そういったことがわかった上で、二科目に絞るのは戦略として全然いいと思います。でもそのメリット、デメリットをしっかり把握することが大事ですよね。

 

 

 

 

学校の授業を「使う」という感覚が大事

 

――受験のときに大切にしていたことはなんですか?

 

岩﨑さん:そうですね。とにかくメリハリをつけて量をこなすことですね。

 

――なるほど

 

岩﨑さん:はい。メリハリについては結構工夫をしていましたね。例えば、僕は家では、だらけて勉強できなかったので、家では休む、塾や学校では勉強に打ち込むというように、場所に役割付けをしていました。

 

――場所に役割付け!それは賢い。

 

岩﨑さん:はい。そうすることで、その場所に行くだけで自然と、休憩する頭になったり、勉強する頭に変化していたんですね。それを利用していました。

 

――それめちゃくちゃ大事です。やっぱり、場所や音楽もですけど、その場所に行くとこういう気持ちになるとか、この音楽を聴くと一気にやる気がでるとか。場所や音楽がその人にとっての、気持ちの変化のきっかけになるように役割つけて利用するのは自己コントロールにおいて非常に重要な方法です。

 

岩﨑さん:そうなんです。家はとにかく休みたかったんですよね(笑)。

 

――これは仕事でも同じですね。例えば、私は金沢大学出身なので、石川県金沢市は私にとって学生のときの町なんです。だから金沢にくると、気持ちがフワフワ、学生気分になるんですよね。でも今住んでいる千葉の松戸市は仕事の就職時に住み始めましたので仕事の場所って感じなんです。だから、千葉に戻ってくると一気に気が引き締まるんですよ。

 

岩﨑さん:へー。そういう住んでいる場所というのも、気持ちに影響してくるんですね。

 

――はい。だからそれを上手に利用したら、非常に自分をコントロールしやすくなりますよ!

 

岩﨑さん:なるほど。

 

――他にこだわりの勉強はありますか?

 

岩﨑さん:こだわりですか?

 

――はい。こだわりといえば、まあ大学になっても使っている勉強方法とかあれば・・・

 

岩﨑さん:あー、授業で配られたレジュメをめちゃくちゃ使っていますね。

 

――なるほど。レジュメですか。けっこう学校からもらったやつをしっかりやるタイプですか?

 

岩﨑さん:そうですね。高校でも授業でもらったプリントとか、もらったテキストとかをまずはしっかりしていました。

 

――なるほど。つまり、1番長い時間を過ごす学校の時間を有効活用したんですね。

 

岩﨑さん:はい。学校の授業は基本的に学校で渡された教材やプリントを使って行うので、授業時間を最も効果的に使うためには、もらったものをやるのが1番ですからね。

 

ーーなるほど。確かに。でも、わかりやすい先生やプリント、参考書であればいいですけど、中にはわかりにくいものもありますよね。その時はどうしていました?

 

岩﨑さん:その時は先生に聞きに行ったり、わかりやすい本を併用していましたね。それか授業を捨てていました(笑)

 

ーー捨てていた(笑)。つまり学校の授業をうまく使うためには、わかるとこと、わからないとこをわける。わからないとこは早めに克服。わからないところが多かったら、もうその授業をすてる。ですね。

 

岩﨑さん:そうです。でも捨てるというのは、先生の授業がわかりにくいばかりじゃなくて、当然自分の実力がなくて授業についていけないという場合もあります。ついていけていないときは一時的に授業をすてて、自分で勉強して追いつくと授業がものすごく分かりやすいというパターンもあります。そういう意味でも授業をその時々で取捨選択するのは、限られた時間を有効に活用するためにも重要なことです。

 

ーーそうですね。授業を捨てるということはマイナスイメージが多いかもしれませんが、授業は指導する側と受ける側が協調して初めて効果が生まれるものです。なので、もしついていく力がその時点’でない場合、授業を理解できないだけでなく、その科目に苦手意識をもってしまいます。そういうリスクもあるわけなので、そのときは優先して自分で勉強して追いつくようにするのが賢い選択ですね。

 

岩﨑さん:その苦手意識っていうの大事で。本当はついていく力が一時的にないだけで、苦手じゃないんですよね。この考え方は非常に大事です。

 

ーー例えば、岩崎さんはどんな授業をすてた経験がありますか?

 

岩﨑さん:僕、物理が本当に苦手意識をもっていたんですよね。授業もテキストも分からなくて。このままじゃやばいと思ったんです。そこで覚悟を決めて授業を捨てて、物理のエッセンスをやりまくりました。もう完全に自分でやりましたね。そしたら得意になって、得点源になったんですよね。

正直、あのままだったらやばかったです。

 

ーーそうですよね。結局、勉強でやばいってなったとき、待ってても誰も助けてくれないんです。自分でなんとかしないと。だって分からないのは自分なんだから。「自分が勉強やらされる」という学校や塾が主体ではなく、自分が主体になって「学校や塾の授業を利用する」ってくらいの意識が大事ですよね。

 

岩﨑さん:そうなんです。その「使う」という感覚が大事です。勉強は自分がやるものなんです。主体であって、受身ではないんです。じゃないと、与えられたものに溺れて、潰れてしまいます。自分の勉強をコントロールすることが大事ですよね。

 

 

★★★

 

 

――お勧めの参考書や問題集はありますか?

 

岩﨑さん:そうですね・・・現役の時にいろんな教材に手を出して、どれも手が回らず、痛い目を見て教材を絞ったのであまりたくさんの参考書はしらないですが・・・物理は本当に最初は苦手だったので「物理のエッセンス」を何周もしましたね。

 


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――あー。これいいですよね。基本問題でほとんどの問題パターンを網羅していますよね。

 

岩﨑さん:はい。これを完璧にしてから、「物理重要問題集」をしました。この二つでだいたい解けるようになりましたね。

 


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――素晴らしい。私も使っていましたよ。重要問題集は量、質、解説もバランスがよく、良い問題集ですね。何周くらいしたんですか?

 

岩﨑さん:4週はやりましたね。あとは間違えたところとか。

 

――なるほど。

 

岩﨑さん:数学は授業で扱っていた問題集を主に使用していましたが、他に「青チャート式基礎からの数学」も使っていましたね。化学は学校で配られた問題集をやって、それをずっと繰り返していました。

 


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岩﨑さん:また「全国大学入試問題正解」は良かったですね。これを解いて、学校の先生や塾の先生に解説してもらっていました。

 


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――あー!この問題集はある程度力がついてから、力試しに使うやつですね。全国の大学入試がまとまっていて非常に使いやすいですね。

 

岩﨑さん:はい。ずっと使っていましたね。英単語はとにかく覚えないとと思って、「英単語ターゲット1900」を類義語も含めて、それを全部覚えるようにして一気にやりました。あとは「ドラゴン・イングリッシュ基本英文100」。素晴らしかったです。

 


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ーードラゴンイングリッシュは本当におすすめです。構文100は新しい発見も多くて、英語が楽しくなりますね。

 

岩﨑さん:そうなんです。竹岡先生は英語がやっぱり楽しくなるような新しい発見を教えてくれて、さらに力がつくといった本を出してくれるので、この構文100も自分にとっては非常に力になった本ですね。

 

――なるほど。実は私、竹岡先生の授業を受けていたんですよ

 

岩﨑さん:え!!直接ですか?

 

――はい。浪人生のときに(笑)

 

岩﨑さん:えー!!うらやましい!!!(笑)。

 

――本当に怖かったですけどね(笑)

 

 

無駄なプライドは捨てる

 

――今、あの時こうしておけばよかったな、反省だなと思うことはありますか?

 

岩﨑さん:そうですね。んー。現役のころは「できるように見せたい」という思いが強くて、見栄を張ってやたら難しい問題とかを解いていました。そういう気持ちが正直よくなかったですね。人の力も借りたくないと思ったりしていました。

 

――それ私も一緒です。人の力は借りず自分でやってやるって、かなり攻撃的になっていたというか。見栄は張っていましたね。無駄なプライドがありました。でも実際は多くの人に支えてもらって勉強ができていたんだと浪人のときに思いましたね。そこから姿勢が変わりました。

 

岩﨑さん:そうなんです。どうしても自分の力でやっていると思ってしまいがちでした。でも実際は違う。そういうことも浪人のときに学びましたし、他の人の力を存分に借りて、合格する方が賢い選択だったと今は思いますね。

 

――なるほど。浪人時代は自身の成長という側面からも重要な時間だったんですね。

 

岩﨑さん:はい。

 

――では逆にこれはやっていてよかったと思うことはありますか?

 

岩﨑さん:塾に通い始めたことです。一人でやりたいと思っていましたが、流石にこれではだめだと思って塾に行き始めたんです、そうやって強制的に勉強時間を増やしました。これが合格につながったと思います。

 

――なるほど。そうやって、勉強するという役割を与えた場所が複数あるのは、勉強効率をあげる一つの方法ですね。例えば私はフードコートも利用していましたし、スターバックスも勉強場所として役割を与えていましたよ(笑)

 

岩﨑さん:フードコートでもするんですか(笑)。すごいですね(笑)。

 

――実はおすすめですよ。

 

 

 

 

――では、最後に一言お願いします。

 

岩﨑さん:僕は、一年間浪人しました。その一年間は、学力の成長はもちろん、自分を追い込むことができ、精神的にも成長できたと思いますし、何より、自分の将来を一層真剣に考えることができました。今では、あの一年間がなかったら今の自分はないと思えるくらい、濃密な一年でした。

現役で合格するのに越したことはないのですが、僕は浪人生活のお陰でとても成長できたと思います。

できるなら、皆さんにも浪人を恐れることなく自分の理想を曲げずに挑戦してほしいと思います。

 

――ありがとうございました。

 


 

非常に楽しいインタビューだった。

自分も医学部受験を経験しているため共感するところも多い。

 

また今回は社会人になっても必要な力、考え方、方法のお話が多く、どれも大切な内容で、自分自身も普段の生活や姿勢を見直すきっかけにもなった。

 

今後も岩崎さんとは同じ医師として付き合っていくことになるだろう。

大変楽しみである。

 

【島根大学 医学部 医学科合格への勉強方法、参考書】

 

<参考書>

物理のエッセンス
物理重要問題集
青チャート式基礎からの数学
全国大学入試問題正解
英単語ターゲット1900
ドラゴン・イングリッシュ基本英文100

 

<勉強方法>

・浪人をしていなければ今の自分はない
・基礎内容の学習は効率を考える前に量をやる
・参考書や問題集は手を出しすぎず、絞って決めたものを繰り返す
・勉強にメリハリをつけるため、場所に役割付けをする
・学校の授業を「使う」という意識が大事
・無駄なプライドは捨てる
・「勉強する場所」と役割付けした場所を複数持つ










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