【理解】人は2つのステップで物事を理解する




自分なりの理解を定義する

今回は全ての学習に不可欠な理解について深めていきたいと思います。

 

 

理解はそれ自体も大切ですが、全ての学習段階を強化するという意味でも重要です。情報把握に理解が加われば、当然ボトムアップ処理も早く、トップダウン処理も確実になり、全体として早く確実な情報把握が可能になります。情報処理に理解が伴えば、意味的処理が深まり、それは記憶しやすい情報になります。このように、理解は他の学習の質を上げる役割もあるのです。

ただし、理解の基準は一般化しにくいです。みなさんも自分が理解しているのか、人が理解しているのかを評価するのが難しいと感じることもあったでしょう。だからこそ、今のうちから理解に向き合い、時間をかけながら、自分の理解基準を明確にすることが大事です

そこで今回は、ペンペン先生独自の理解基準と、一般的な(心理学的な)理解基準についてお話したいと思います。

 

 

ペンペン先生の理解について

ペンペン先生の理解は一言でいうと、「定義や現象を納得し因果関係を発見すること」です。詳しく説明しますね。

まず理解を浅い理解と深い理解に分けています。浅い理解は、目の前にある現象や定義(すでに起こっていることやすでに決まっていること)を納得すること。そして深い理解はその現象や定義の因果関係を発見することです。

 

 

合わせると、「AとはB。なぜなら〜だから」と言える状態です。

たとえば、スマートフォンについて考えてみましょう。「スマートフォンは指で画面をなぞると画面がスライドします」といわれても、多くの人は納得しますよね。これは浅い理解の状態です。

 

 

浅い理解さえあれば、多くは日常で活用できるレベルなんです。では、その因果関係を説明できる人はどれほどいるでしょう。つまり、「指で画面をなぞる→画面がスライドする」理由を説明できるかどうかです。この矢印を説明できれば、スマートフォンを深く理解していることになります。みなさんは深い理解に達していますか。

 

 

もう一つ例を見てみましょう。

「y=2x +1の式は傾きが2で切片が3だよ」を考えます。これは学校で学ぶことなので、多くの人は納得すると思います。

 

 

ただ、この因果関係、すなわち「y=2x +1→傾きが2で切片が3」の矢印を説明できますか。これが説明できれば、深く理解しているといえます。ちなみに、これを説明するためには、y=2x +1が直線を示す理由を知らなければなりません。

 

 

興味がある人は、一度調べてみてくださいね。

ということで、ペンペン先生にとっての理解基準は、現象や定義を納得する「浅い理解」と因果関係を説明できる「深い理解」の2つで、これらを臨機応変に使い分けています。つまりすべての事柄に深い理解まで追求はしていないのです。

 

 

「スマートフォンがなぜ指で画面をなぞるとスライドするか」なんて、ペンペン先生は知りません。そこにあまり興味はないですし、仕事にもしていませんからね。浅い理解で普段の生活に困ることはありません。ただ、y=2x +1の傾きが2で切片が3である理由は説明できます。これは学生のころに勉強しましたし、人にも教えますから。つまりペンペン先生はスマートフォンに関しては浅い理解で留め、式に関しては深い理解まで追求しようと決めているのです。このように、理解は大事といいますが、すべての事柄に深い理解を求める必要はありません。そんなことしていたら、時間も労力もたりません。

自分が必要だと思う、自分が興味のある大事な事柄に関し、とことん理解を深め。それ以外は実践で困らないレベルでの浅い理解に留めておくことをMyルールにしています。もちろんこれも決まりがあるわけじゃなく、自分にとっての理解基準なので、ぜひ参考にしてください。

 

 

一般的な理解の定義

次に個人的なものではなく、学問の側面から「理解」をみていきたいと思います。まず、理解の一般的な定義ですが、調べてみると本当に様々あります。その中でもしっくりくるものを取り上げてみました。

 

「理解とは複数の個別的知識(具体的な下層知識)が接続用知識(必然性を生むために必要な要素)を加え、法則的知識(一般路、原理原則、法則、ルール、抽象概念、具体の共通項)で必然性を裏付けること」です。

 

何言ってるかまったく意味不明。ちょっと詳しく説明したいと思います。

 

 

 理解は接続用知識と法則的知識を用いて個別的知識に必然性を持たすこと

 

例えば『AはCである』という文章があるとしましょう。AとCは個別的知識に該当します。この関係を理解する時は二つのステップをふむ必要があります。

 

 

一つは必然性を見出すことです。すなわちAからCまでを矢印で結ぶのです。このままではAとCの間を矢印で結ぶことができません。ここでBを間にいれたらどうでしょうか。A→B→Cと必然性を見出し、矢印で結ぶことができます。このBにあたるのが、接続用知識であり、A→B→Cという流れをフローチャートと呼びます。

 

 

ただし、これでもまだその必然性を十分に説明しうる根拠がありません。すなわち仮説の状態です。そこで二つ目のステップに進む必要があります。法則的知識による裏付けです。法則的知識とは、A→B→Cが必然たる所以を説明するものです。より簡潔に言うなら、「なぜA→B→Cなのか」を説明するものですね。法則的知識で裏付けて初めて、A→B→Cという必然性が感覚的なものではなく、理論上、正しく成立することになります。

 

 

この二つのステップをクリアして初めて、「AはCである」を理解したことになり、同時に他者へ説明することも可能になるのです。(時としてこの2ステップは順番が入れ替わる場合もあります)

では具体例を用いて説明します。

 

 

なぜ眠い男が水差しを持っている必要があるのか

例えば、「眠い男は水差しをもっていた」という文章を理解してみましょう。これだけでは「眠い男」と「水差しをもっていた」は全く必然性がないですよね。矢印で結ぶことができません。矢印で結ぶためには何を加えたらよいでしょうか。

 

 

「眠い男はコーヒーを飲むために水をもっていた」としたらどうでしょう。

 

 

これならば、なるほど!と納得しますね。コーヒーを入れるには、水が必要ですし。「眠い男→コーヒーを飲むため→水差しをもっていた」は必然性があるように思えます。しかしこれでは、まだ十分に理解したとは言えません。本当にこの流れは必然なのでしょうか。眠い男がコーヒーを飲むは必然ですか。それを裏付けて説明するのに法則的知識を利用します。「コーヒーは眠気を覚ます効果がある」という法則ですね。こうして法則的知識にフローチャートを紐づけることができて初めて理解したことになります。

 

 

もう一つ具体例を。次は少し切り口を変えて、ニュースでよく扱われる内容を理解してみましょう。「細野の数学的思考力」という本に、これまで説明した「理解のステップ」を実践するのに、とても適した例がありましたので一部参考にして、見ていきたいと思います。

「日本の財政はすでに破綻している」とニュースでよく見かけますね。ただ、こう聞いて「ふーん、そうなんだ」と終えるのは理解したことになりません。では理解するために、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。

 

 

まず「日本の財政」と「財政の破綻」の間に必然性を持たせたいのですが。このままではつなげることはできません。なぜなら、客観的な事実がないからです。つまり数字です。では財政破綻と聞くと、借金を思い浮かべやすいですね。となると、「日本の財政は借金○○○円で破綻している」とすれば、「日本の財政→借金○○○円→財政破綻」という流れで各個別的知識をつなげることができそうです。

 

 

しかし、まだ理解したことにはなりません。この必然性を法則的知識で裏付ける必要があります。ここで利用できる原理原則は「財政破綻」における法則ですね。すると「財政の破綻」とは国債の格付けや利回りで定義されるそうなのです。その点から見ると、日本の財政は破綻とは遠い状況らしいのです(細野の数学的思考力より)。

 

 

従って単純に借金だけでは具体的知識に必然性を持たせることはできなさそうです。すなわち、「借金」は接続用知識にはなり得なかったことになります。では、なぜ「財政破綻」と騒がれるのでしょうか。他に理由がありそうですね。

これが理解の仕組みです。理解しようとするから真実を見極め、表面だけの情報に惑わされずに済むわけですね。

何度もいうように、もちろん全てにおいてここまで、深く理解する必要はありません。大事なのは理解の仕組みを知り、自分なりの理解基準を作り、必要な時にきちんと理解できること。それができれば学習の質も一気に向上し実力も指数関数的に上がります。

ではまとめです。シンプルですね笑

・ペンペン先生の理解は定義を納得し因果関係を発見すること

・一般的な理解は接続用知識と法則的知識を用いて個別的知識に必然性を持たせること

 

さて、次回はいよいよ「問題解決」について踏み込んでいきたいと思います。

人は生きていく上で多くの課題にぶつかり、常に解決して乗り越えていかなければなりません。それは知能ある動物の宿命です。ということで、問題解決こそ、人間の学習する力が発揮される段階といえるのかもしれません。その仕組みについて説明していきましょう。

では🐧










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