【問題解決】知識を総動員して問題解決せよ!




問題が提示された時から勝負は始まっている

これまで見てきた「理解」や「記憶」を使って、物事を学習し知識として習得するところまでは明らかになったかと思います。ただ多くの学生さんが目指す最終目標は「問題を解くこと」です(もちろん人によって異なりますが、受験の枠組みで考えるとそうなりますね)。そこで今回は「問題を解くこと=問題解決」を紐解きながら、そのために必要な学習を具体的に提示したいと思います。

 

 

認知心理学での問題解決の定義は「初期状態から目標状態までの操作の系列を見い出すこと」としています。一般的に初期状態とは、問題設定の対象となる状態なのですが、受験範囲で言うと、問題文を提示された状態と言えます。つまり、「問題解決は問題文を提示された時から始まっている」ということを意味します。これは非常に重要なことです。なぜなら、問題文を理解できなければ、問題は解けないことを示しているからです。問題文を提示された段階でもう勝負は始まっているのです。

 

 

では、問題解決の全体像を見てみましょう。

 

 

問題解決は大きく分けて、「問題理解」と「実行」に分けられます。さらに、「言語的な理解」、「問題全体の理解」と「解法の探求」、「解法の実行」に分かれ、それぞれの段階に到達するために、必要な知識(スキーマ)と操作があります。

それぞれついて数学の問題を使い、詳しく説明してきます。

 

 

言語スキーマと問題スキーマで問題を理解する

まずは問題を理解するところから始めます。何度も言うように、問題を理解できなければ、解決できません。問題は二つの側面から理解することになります。

一つは言語的な側面です。ここでは概念的な知識を用いて文章を理解します。例えば以下のような問題があったとします。

xの2次方程式2x2+(k+5)x+3k-1=0が重解を持つとき、定数kの値と、そのときの重解を求めよ。

 

問題文の中には特殊な言葉がいくつかありますね。「2次方程式」や「重解」、「定数」など。これらの意味を知らないと問題は理解できません。これを言語的理解と言います。

 

 

もう一つは問題パターンの側面です。たとえ言語的に問題文を理解したとしても、自分が知っている問題のタイプや問題パターンに照らし合わせることができなければ、問題自体を理解することは困難です。例えば、「重解を持つ」パターンの問題は「二つの異なる実数解を導くパターンに似ているな」というように、過去に解いたことのある問題パターン(問題スキーマ)に照らし合わせます。そうして初めて、「二つの異なるではなく、重解になるための条件を導き出すのか」と、問題全体を理解することができるのです。

 

 

たしかに、受験などで解かなければならない問題は、過去に見たことがない「新しいと感じる問題」が出てきます。ただ、これは「そう感じるだけ」であり、実際は誰もが解いたことのある基本問題の組み合わせだったり、一部条件を変えているだけで、受験範囲で学習できる問題パターンの知識を利用すれば、新しく見える問題も理解することができます。

 

 

ただし、そのためには問題パターンの知識(問題スキーマ)に加え、問題を可視化したり(図を書いたり)、知っている基本問題パターンに分解する作業が必要です。こうした作業も駆使して、ようやく、問題全体を理解した状態に到達することができるのです。

 

 

 

行為スキーマと方略的知識で問題を解決する

問題文を理解できたら、いよいよ解法の探索、類推に進みます。問題解決に向かう解法を発見する際には二つの知識を駆使します。一つは過去に解いた問題の解法パターン(行為スキーマ)です。「こういう問題のときはこのようなやり方で解くと良い」といった知識です。もし過去の問題と同じか類題であればこの知識だけで解決することができます。しかし難易度が上がってくると、これだけでは解けない場合があります。そんな時に重要となる知識が方略的知識です。方略的知識とは、行為スキーマよりも、もう少し抽象的な知識のことを言います。

 

 

例えば、「割合の問題なら、とりあえず線分図を描いてみる」とか、「関数の問題ならグラフにしてみる」とか、「証明問題なら結論をいうために何がいえたらいいか、逆向きに考えてみる」といったような方針です。解決の糸口や発想のきっかけとも言います。

これら二つの知識を総動員して解法を類推し、ある程度解決に向けた方針が決定したら、ようやく具体的に計算を進めていきます。さらに適宜、解法の探索と類推をとりいれ、また計算することを繰り返し最終的に答えを導き出すことができるのです。

 

 

問題解決に必要な知識を習得する

ではそれぞれの知識をどのように習得していくのか、簡単に見ていきましょう。

まず言語スキーマですが、知識としては概念や定義が中心となり、学校の授業で学ぶことが多いです。概念や定義は理解することが最も重要です。にも関わらず、非常に理解しにくいものでもあります。従って、これらの知識を学ぶ学校の授業はとても重要な役割を担っているのですが、わかりにくい授業があるのも事実。そんな時は、教科書の代わりとなるような優しくわかりやすい参考書を使うことをおすすめします。言語スキーマは問題解決の最初の段階から使う大切な知識です。従って、妥協せずしっかりと理解することが、問題解決力の向上に直接つながります。

次に問題スキーマ、行為スキーマ、方略的知識です。これらは問題集で習得することになりますが、実は本サイトの「塾家庭教師がいらなくなる勉強方法」で紹介している「問題学習」が、3つの知識を習得するための学習にぴったり当てはまります。

 

 

問題学習では、フローチャートとポイントをまとめようとお話をしていますが、フローチャートは行為スキーマ、ポイントは方略的知識に該当します。詳しい勉強方法は記事に書いてありますので、ぜひ参考にしてください。

改めて問題解決の全体像を見てみましょう。

 

 

必要な知識は段階ごとで異なり、これらの知識を習得するためにも普段から意識的に学習することが大事なんです。

以上、数回にわたり「情報把握」、「情報処理」「記憶」「理解」「問題解決」について心理学、および脳科学の側面からお話しました。さて、ここまでは厳密に言うと、インプット学習がメインです。新しい情報や知識を頭に取り入れる学習ですね。ただ本番で結果に直結するのはインプットではなく、アウトプットする力。すなわち想起力です。想起とは学んで記憶した情報を思い出すことをいいます。本番では少ない手がかりから、いかに正確な情報を思い出せるかが勝負になります。したがって想起も欠かせない重要な学習要素なのです。そこで次回は想起についてお話したいと思います。

では🐧










2 件のコメント

  • 初めまして。
    医学部志望の浪人生です。
    一昨日サイトを見つけ、その日から拝見させていただいてます。
    勉強法の改善の参考にさせていただいてます。
    ペンペン先生の言葉でモチベーションを上げてから、勉強するようにしています笑
    本当にありがとうございます。

    これからもサイトの更新楽しみにしています。
    僕も勉強頑張ります。

    • 初めまして。ペンペン先生です。
      コメントありがとうございます!
      本当ですか!?そのようなお言葉頂けてすっごく嬉しいです!!
      医学部を目指されているんですね!もし勉強方法でわからないことや
      悩みごとあったらいつでも相談してください!少しでもお役にたてたら!
      全力で応援します。

      サイトやインスタグラムもどんどん更新していくのでぜひご覧くださいね
      これからもよろしくお願いします。

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